出産までの仕事内容

妊娠期のケア
すべての妊婦が一切の問題なく出産できるわけではありません。経過には十分注意する必要があります。例えば、妊娠中に血圧が上昇した場合は妊娠高血圧症候群の疑いがあります。妊娠高血圧症候群は肝臓や腎臓の機能障害、胎児の発育不全、低体重などを引き起こすリスクをはらんでいます。そういった異常がないか確認するためにも、助産師は妊婦の健康診査を実施します。また、健康的に過ごせるように食事や運動に関する生活指導もしていかなければなりません。出産に向けた精神的ケアや育児準備のアドバイス、お世話体験などについても助産師が主導となって支援します。母子の状態が正常に経過しているかを判断し、明るい未来に向けたサポートを都度行うことが助産師には求められます。
分娩期のケア
分娩期は出産のサポートがメインになります。妊娠期は看護師がケアを担当する機会もありますが、出産のサポートや助産行為については助産師しか行うことができません。助産師の仕事内容の中でも、特に重要なポイントといえます。分娩の際は、妊婦が主体的にお産に取り組めるようにサポートしていかなければなりません。自分でわが子を産んだという気持ちになれるよう、妊婦を支えます。出産に向けた準備が正常に進んでいるかを常に確認し、異常があれば即座に対応します。異常が見られる際や正常分娩以外のケースでは、対応する医師のサポートに回ることになります。お産中は分娩の進行状況や母子の健康状態を観察し、適切に状況判断をしながら心身のケアを行います。
出産は可能な限りリラックスして臨むことが重要です。そのためにも声かけやマッサージを行い、呼吸法のアドバイスを送るといった対応も求められます。自身に出産の経験がある人であれば、妊婦の目線に立った細かいケアを提供できるでしょう。問題なく分娩できるよう十分に配慮しながら促す姿勢が求められます。
寄り添う気持ちが大切
お腹に子どものいるママにとって、出産にまつわる悩みは非常にデリケートな問題です。医師が異性だと相談しにくいこともあるでしょう。助産師は女性ならではの悩みについて医療的な観点からアドバイスできます。同じ女性として寄り添いながら医療従事者としてもアプローチできる助産師は、出産を控える人にとって心強い存在です。初めての出産で不安を抱えている人に対して前向きな気持ちになってもらえるように支援することは、結果的に子どもたちの未来を守ることにもつながります。